不法入国やオーバーステイ(不法滞在)となった場合には、原則的に強制送還となりますが、特別な理由がある場合に法務大臣が特別に在留を許可する、在留特別許可という制度があります。在留特別許可は「外国人の権利」ではなく、法務大臣の「恩恵的な措置」として行われます。このため「在留特別許可のための制度的申請手続き」などは存在せず、あくまで退去強制の手続きの中で、在留したいという意思表示をすることになります。また、在留特別許可が認められる場合でも、退去強制の手続き開始から許可決定までの期間は1年以上かかることが一般的です。その間は、一時帰国できないため注意が必要です(どうしても帰国する場合は退去強制手続きで出国します)。なお、在留特別許可の申請に必要な書類等は特に決められていませんが、専門家は以下のような書類を提出します。

・申告書
・陳述書
・申告者のパスポート及びパスポートの写し(全ページ分)
・申告者の在留カード及び在留カードの写し(持っている場合)
・申告者の身分証明書(本国のIDカードなど)※英語以外は翻訳が必要です。
・日本人の配偶者の戸籍謄本
 (婚姻事実の記載があるもの。子供がいる場合は子供の記載があるもの。)
・婚姻を証明する書類(婚姻届受理証明書・領事館発行の婚姻証明書など)
・日本人配偶者の住民票(世帯全員の記載があるもの)
・日本人配偶者の在職証明書
 (役員の場合は登記簿謄本、自営業の場合は営業許可証など仕事内容が分かるもの)
・直近1年間の収入がわかるもの(課税証明書、納税証明書、源泉徴収票など)
・年金、生活保護等の受給証明書類(年金、生活保護を受給している場合)
・居住地の登記簿謄本もしくは賃貸借契約書の写し
・日本人配偶者の履歴書
・最寄り駅から自宅までの経路図
・日本人配偶者の身分証明書(運転免許証など)原本及び写し
・日本人配偶者の健康保険料及び年金保険料に係る納付証明書類
 (保険料納入証明書、年金手帳写し、被保険者記録照会回答票) 
・健康保険証の写し
・通帳の写し(使用中のもの全ページ)
・写真(縦5㎝×横5㎝) 4枚
・スナップ写真  適宜(特に結婚式、披露宴のもの)
  ※写真は用紙に貼付し、撮影日及び場所を記載
・質問書(日本人配偶者用)
・母子健康手帳手帳写し
・子の在学証明書、出席・成績証明書
・婚姻に至るまでの経緯説明書
・生活状況等説明書
・身元保証書
・上申書(反省文)
・嘆願書(知人、会社関係の方などが記載) 

 弊所では、専門家しか知ることのない上記書類作成のノウハウを提供し、全力でサポートすることにより、在留特別許可の可能性を高めることを目指しています。

【収容案件】

出入国管理局や警察に逮捕・収容され、退去強制手続きが始まり、その手続きの中で在留特別許可の取得を目指すケースです。この場合でも在留特別許可が認められることはありますが、自主的に出頭した場合に比べ条件が厳しく、また、仮放免手続きが認められず、収容されたまま手続きが進みます。

なお、日本国籍を持つ人と婚姻していれば在留特別許可が認められる可能性が高くなりますが、収容後に婚姻届を出す「駆け込み婚」の場合は、婚姻が真正である客観的な証拠が必要となります。

しかし、逮捕・収容時に窃盗、売春、薬物などの犯罪で摘発された場合、在留特別許可の許可を受けることは難しくなります。特に禁錮や懲役などの実刑判決を受けた場合は、在留特別許可を受けられる可能性はほとんどありません。

お金をかけてとことん戦う意思があるのであれば、裁判が視野に入りますので、入管業務に精通した弁護士(非常に少数ですが)へ依頼することをお勧めします。

管理措置制度

 管理措置制度が、2023年6月16日に入管法が改正公布され、2025年6月10日から施行されます。これは、これまで仮放免によって収容を免れることになっていましたが、仮放免は健康上・人道上の限られた場合にのみ認められる例外的な取り扱いと変更され、原則として収容を免れるには「管理人」を選任することが必要する新しい制度です。

 収容されずに退去措置が実施される場合は、原則として管理人の選任が必要となります。弊所は成年後見等で権利擁護の経験が多くあり、専門職管理人として当該管理人を受任可能です。お気軽にお問合せください。